1. HOME
  2. 活動の記録
  3. 活動記録
  4. 【活動報告】 宮崎県獣医師会主催「災害時のペット支援とは何か?」2025年(令和7年)1月
活動の記録

WORKS

活動記録

【活動報告】 宮崎県獣医師会主催「災害時のペット支援とは何か?」2025年(令和7年)1月

2025年(令和7年)1月19日、宮崎県畜産会館にて開催された一般社団法人宮崎県獣医師会主催の公開講座「災害時のペット支援とは何か?」において講師を務めました。

本講座には、自治体職員、獣医師会の皆様、動物愛護推進員といった、地域防災の要となり実務を担う方々が多数参加されました。
支援を提供する側が一堂に会した本セミナーにおいて、現在のペット防災における行政側の課題と、その解決策について共有した内容をご報告します。

災害時のペット支援は「被災者支援」であるという基本原則

ペットの災害対策において最も根本となる考え方は、「災害時のペット支援は被災者支援である」ということです。

ペットの問題を単なる「動物の問題」として捉えてしまうと、社会全体の防災体制に組み込むことが難しくなり、結果として支援が遅れる原因となるからです。

過去の災害現場においても、ペットを連れた被災者が避難所での受け入れに苦慮し、車中泊を余儀なくされるケースが多発しました。
これはペットの命の危機であると同時に、飼い主自身の健康被害に直結する深刻な「被災者問題」です。

したがって、自治体や支援団体は、ペット支援を被災者の心身の安全を確保するための重要なアプローチとして認識し、対策を講じる必要があります。

防災基本計画の改定に見る国の方針と現場のギャップ

能登半島地震などの教訓を経て、国の防災基本計画においても記載が見直され、「被災者支援の観点からの避難所でのペットの受け入れ」という趣旨が明確に追加されました。

国の中枢においても、ペットへの対応が被災者の生活再建に直結するという認識が定着してきたためです。

しかしながら、こうした基本原則が明文化された一方で、現場レベルでの具体化が進んでいないのが現状です。
多くの自治体でマニュアルは作成されても、実動部隊の基本理解が不足しているため、いざという時の連携が機能しない事例が見受けられます。
方針が形骸化するのを防ぐためには、この基本を真に理解する人材を育成し、現場の実行力を高めることが急務です。

▶行政・自治体向け講演・セミナー実績はこちら

支援に関わる人々の「顔が見える関係性」の構築

災害時に迅速かつ適切な支援を行うためには、平時から「顔が見える関係性」を構築しておくことが不可欠です。

有事の混乱の中では、誰がどのような専門性やリソースを持っているのかを把握している関係性がなければ、組織間の円滑な連携は成り立たないからです。

今回のセミナーのように、自治体の担当者、獣医師、動物愛護推進員が同じ場所で課題を共有する機会は非常に重要です。顔を合わせ、互いの役割と限界を認識し合うことで、発災時にスムーズな初動対応が可能になります。

当法人が各地で繰り返しお伝えしている通り、平時における実直なネットワーク構築こそが、機能する支援体制の基盤となります。

「飼い主の適正飼育」がペット防災の根幹を支える

行政や専門機関による支援体制が整ったとしても、ペット防災の根本を支えるのは「飼い主の適正飼育」です。

避難所などの共同生活の場において、ペットが周囲に受け入れられるかどうかは、日頃のしつけや健康管理の状況に完全に依存するからです。

クレートトレーニングができていない、ワクチン接種が済んでいないといった状況では、いかなる支援体制があっても安全な避難生活は望めません。

行政や専門機関による「被災者支援」の枠組みと、飼い主自身による「適正飼育」という両輪が揃って初めて、ペット防災は機能します。

私たちはこれからも、支援者側への体制整備の働きかけと同時に、飼い主側への平時の備えの重要性を根気強く啓発してまいります。

▶飼い主の備え「ペット防災ガイド」はこちら

宮崎県獣医師会および関係者の皆様への御礼

最後に、本公開講座の開催にあたり、多大なるご尽力を賜りました宮崎県獣医師会会長の末吉先生に深く御礼申し上げます。
災害時のペット支援を社会全体で取り組むべき課題として重く受け止め、支援の最前線に立つ実務者たちへ向けた専門的な学びの場をご提供いただいたことは、地域防災の推進において極めて大きな意義を持ちます。

また、対面とオンライン(ZOOMウェビナー)のハイブリッド形式という高度な運営を円滑に進行し、開催前から当日まで細やかなご配慮でお支えいただいた事務局の皆様にも心より感謝申し上げます。
皆様の徹底した実務サポートがあったからこそ、自治体職員や動物愛護推進員といった多岐にわたる参加者が、物理的な距離の壁を越えて同じ課題を共有できる有意義な時間が実現しました。

さらに、当日の進行サポートから参加者の皆様との関係構築に至るまで、多方面で現場を支えてくださった八木先生に厚く御礼申し上げます。
本セミナーにおける最大のテーマであった「顔が見える関係性の構築」を、八木先生ご自身がきめ細やかな架け橋となって体現してくださったことで、より実効性の高い地域ネットワークを築くことができました。

ペットの災害対策を真の「被災者支援」として社会インフラに定着させるためには、今回お力添えをいただいた皆様のような専門組織との強固な連携が不可欠です。

宮崎県獣医師会の皆様と共に築き上げたこの貴重な連携の土台を活かし、当法人は今後も実効性のあるペット防災体制の構築と啓発に尽力してまいります。誠にありがとうございました。

【実践的な知見に基づくセミナーのご案内】

NPO法人ペット防災ネットワークでは、実際の被災地支援で得た経験とその後の検証に基づき、現場で真に役立つ「実践的なセミナー」を提供しています。

自治体、飼い主、ボランティア、そして事業者の皆様、それぞれの立場に最適化したプログラムの詳細は、以下の案内ページよりご確認いただけます。

[自治体・飼い主・ボランティア・事業者向けセミナーの概要説明]
[これまでの開催実績・検証に基づく活動記録の一覧]

私たちの知見を、皆様の地域や組織における確実な備えにお役立てください。

宮崎県獣医師会ペット防災セミナーチラシ

活動の記録