活動内容
Activities
活動の四つの柱
被災者支援としてのペット支援体制の構築
地域に根差したペット防災活動の推進
ペット支援ボランティアリーダーの育成
正しいペット防災情報の発信
私たちの活動
NPO法人ペット防災ネットワークは、熊本地震をはじめとする数々の災害現場での支援経験と、その詳細な検証から得られた教訓に基づき、4つの柱を軸とした活動を展開しています。
私たちの目的は、災害時の一時的な支援にとどまらず、平時から人とペットが共に安全でいられる、持続可能で強靭な社会システムを構築することです。
飼い主、地域、行政、専門家がそれぞれの役割を果たし、有機的に連携する「みんなの安心」の実現に向け、具体的かつ実践的な取り組みを進めています。
① 被災者支援としてのペット支援体制の構築
全世帯の約3割がペットを飼育する現在、災害時のペットの安全確保は、飼い主の心のケアや生活再建に直結する、重要な「被災者支援」の一環です。
しかし現状では、過去の被災経験やその検証から得られた具体的な対応策や体制作りが十分に整備されておらず、災害時のペット支援では混乱が繰り返されています。
私たちは、熊本地震など過去の被災地での経験とその検証に基づき、自治体、獣医師会、関連団体と連携し、現実的かつ具体的な災害時ペット支援体制づくりを進めます。
具体的には、避難所の開設・運営を担う自治体職員向けのペット防災セミナーの開催や、地域の実情に合わせた「ペット同行避難所運営マニュアル」の策定支援を行います。
また、官民連携を通じ、有事の際に誰が何をすべきかという役割分担を明確化します。
平時から行政、獣医師会、そして私たちのような民間団体が「顔の見える関係」を築き、情報共有を密にすることこそが、災害現場の混乱を防ぎ、迅速で的確な支援を実現する唯一の道だと考えています。
② 地域に根差したペット防災活動の推進
災害時のペット支援は、その地域に暮らす方々が主体となって取り組むことが原則です。
なぜなら、飼育されているペットの種類や数、高齢者の割合、利用できる施設といった地域ごとの特性を最も深く理解しているのは、そこに暮らす皆様自身だからです。
地域の皆様が中心となる活動こそが、外部からの支援だけに頼らない自立した防災力を育み、ペットとその家族、そして地域全体のより早い復興を可能にします。
私たちは、地域主体のペット防災の取り組みが円滑に進むよう、現場経験と全国ネットワークを活かし、各地で活動される皆様を災害時・平時を問わずサポートします。
例えば、町内会やマンションの管理組合単位でのペット防災セミナーやワークショップの開催をサポートします。
飼い主同士で安否確認の方法を話し合ったり、ペットのための備蓄品を共同管理したり、避難場所まで実際に歩いてみる「ペットと一緒の避難訓練」を企画したりと、活動内容は様々です。
私たちは、全国の成功事例のご紹介や専門知識の提供、行政との橋渡し役などを通じて、地域コミュニティが主体となった「共助」の仕組み作りを全力でバックアップします。
③ 自治体・獣医師会と連携できるボランティアリーダーの育成
大規模な災害現場では、全国から多くの支援ボランティアが駆けつけます。
その善意は非常に尊いものですが、一方で効果的なペット支援を行うには、専門知識と高度な連携能力を持つボランティアリーダーの存在が不可欠です。
過去の災害では、行政の指示系統を無視したり、現地のルールを守らなかったりする一部の支援団体が、かえって現場を混乱させ、対応する行政や獣医師会が疲弊してしまうという事態も繰り返されてきました。
このような「支援のミスマッチ」や「第二の災害」を防ぎ、円滑な支援を実現するため、専門家による教育プログラムを通じ、自治体・獣医師会と正しく連携できる災害時ペット支援ボランティアリーダーを育成します。
この育成プログラムでは、災害支援の基礎知識や公衆衛生の重要性、避難所運営の仕組み、被災した飼い主への心理的ケアといった「被災者支援」としての災害時のペット支援のあり方を学びます。
最も重要なのは、被災地の行政や獣医師会の方針を尊重し、他の支援団体と協調しながら、全体の支援活動に貢献できる能力を養うことです。
育成されたリーダーが各地で活躍することが、日本のペット防災全体のレベルアップに繋がると信じています。
長期に渡るペット同行避難支援経験に基づく実践的な「ボランティアリーダー育成プログラム」はこちらです。
④ 正しいペット防災情報の発信
災害時には、不安や善意から不確かな情報がSNSなどで拡散され、深刻な混乱を招くことがあります。
「〇〇避難所ではペットは絶対に入れない」「あそこに行けば支援物資が山積みになっている」といったデマは、飼い主を危険に晒し、支援リソースの偏りを生むなど、時に命に関わる事態を引き起こします。
私たちは、過去の経験と全国の専門家ネットワークに基づき、平時と災害時の両方において、正確で信頼できるペット防災情報を継続的に発信します。
これにより、平時は飼い主の防災意識向上を促し、災害時は間違った情報による混乱を抑制し、被災地の真のニーズに合った効果的な支援活動が行われる土壌を作ります。
平時には、ウェブサイトやSNS、講演会などを通じて、平時からの適正飼養の徹底を啓発するとともに、ペットのための備蓄品リストや災害に備えたしつけ・健康管理など、「正しい知識で備える」ことの重要性を伝えます。
災害発生時には、行政や獣医師会と連携し、開設されたペット同行避難所の公式情報、必要な支援物資の種類と送り先、迷子ペット情報、専門家によるオンライン健康相談窓口の案内など、被災者が本当に必要とする情報を迅速かつ正確に届けます。
正しい情報を通じて、いのちを守ること。それも私たちの重要な活動です。
いざという時に慌てないためには、飼い主さんの日頃からの準備が欠かせません。今日からすぐに始められる対策については、正しいペット防災の知識を得る「ペット防災ガイド」をご覧ください。
持続可能なペット防災を日本の社会インフラとして確立するために
NPO法人ペット防災ネットワークは、これら4つの柱を軸とした活動を継続し、ペット防災を一時的なブームではなく、日本の社会インフラとして定着させることを目指します。
過去の災害から得た教訓を風化させることなく、自治体、専門家、そして地域住民の皆様と手を取り合い、誰もが迷うことなく適切な行動をとれる体制を構築してまいります。
災害が起きた際、ペットを理由に避難を諦める人が一人もいない社会。
そして、避難所において人とペットが周囲に配慮しながら共に安全に過ごせる環境。
これらを当たり前の日常として備えておくことこそが、真の意味での「強靭な社会」であると確信しています。
私たちは、人とペットが共に助かる未来を標準的な社会システムとして確立するため、これからも現場の視点を大切に活動を推進してまいります。






