【活動報告】東広島市役所「同行避難ランチタイムトーク」共生社会の実現
2017年(平成29年)10月、東広島市役所にて、行政の職員の皆様を対象とした同行避難への備えに関するセミナーを実施いたしました。
今回は「ランチタイムトーク」という新たな試みとしてお昼休みの時間帯を活用し、多くの職員の方々にご参加いただきました。
皆様が最後まで真剣に耳を傾けてくださった姿勢から、行政内におけるペット防災への意識の高まりを実感しています。
本記事では、熊本地震の現場での検証を踏まえ、行政と飼い主それぞれに求められる役割と、真のペット防災が目指す社会のあり方についてご報告します。
熊本地震の検証から見えた「被災者支援」としての同行避難支援
災害が発生し避難が必要となれば、ペットは家族の一員として必ず飼い主と共に避難所にやってきます。
これは避けることのできない現実であり、行政はそれを受け入れ、「被災者支援」の観点から支援する枠組みを平時から構築しておく必要があります。
私は熊本地震の発生後、環境省が設置した被災ペット預かり施設(わんにゃんハウス等)において、同行避難の検証を継続して行ってきました。
そこでは、被災者である飼い主の皆様をはじめ、環境省、熊本県、獣医師会、避難所運営者、さらには全国から集まった愛護団体がどのような行動をとり、現場で何が起きたのかを直接この目で確認してきました。
この多角的な検証から導き出された結論は、ペットの災害対策は単なる動物保護ではなく、飼い主の心身の安全と生活再建を支えるための不可欠な被災者支援であるという事実です。
自治体の皆様には、この現実に基づいた具体的な準備をお願いしています。
飼い主の責任と「命と暮らすこと」の重み
行政による枠組み作りと並行して、飼い主自身がペットを守るために「適正飼養」に努めることが極めて重要です。熊本地震の検証において、ある飼い主の方が私に語った「地震が起きるまでは、ペットと暮らす事がこぎゃん大変な事って思わんだった」という言葉が強く印象に残っています。
命と暮らすということは、災害時だけでなく、平時から大変な責任を伴うものです。
しかし、その大変さがあるからこそ、犬たちや猫たちは私たちに何ものにも代えがたい「幸せと喜び」を与えてくれます。ペットが大切な家族であるならば、飼い主としての責任を確実に果たし、ペットを本当の家族として扱い、地域社会の一員になるよう導くことが求められます。
「本当のペット防災」は日常の地域社会の中にある
私は、同行避難に関する特別な対策やマニュアルが不要になる社会こそが、ペット防災の最終的な目標であると考えています。
それは、平時から地域社会において「人と動物たちが共生できる社会」、すなわち「動物を飼育している人とそうでない人が共生する社会」が当たり前になっている状態です。
もし、日常的にそのような地域社会が構築されていれば、災害が発生した際にも、隣近所の方々が自然と「〇〇さん大丈夫? 〇〇さんちのわんちゃんたちも大丈夫ね? 困った事あったら言ってね」と声を掛け合えるはずです。私たちが目指すべきは、そのような温かい気遣いが溢れる地域づくりです。
本当のペット防災は、災害時の特別な行動の中にあるのではなく、日々の生活の中での適正飼養と、周囲との良好なコミュニケーションという「日常」の中に存在しています。
当法人はこれからも、行政と市民の双方に向けた啓発活動を通じ、共に支え合う社会の実現に向けて尽力してまいります。
【実践的な知見に基づくセミナーのご案内】
NPO法人ペット防災ネットワークでは、実際の被災地支援で得た経験とその後の検証に基づき、現場で真に役立つ「実践的なセミナー」を提供しています。
自治体、飼い主、ボランティア、そして事業者の皆様、それぞれの立場に最適化したプログラムの詳細は、以下の案内ページよりご確認いただけます。
[自治体・飼い主・ボランティア・事業者向けセミナーの概要説明]
私たちの知見を、皆様の地域や組織における確実な備えにお役立てください。




