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熊本地震。繰り返される被災地の混乱と、「ペット防災」のあるべき姿

あの熊本地震から10年。今ふたたび熊本の地を大きな地震が襲い、各地で甚大な被害と混乱が起きています。
NPO法人ペット防災ネットワークでは、過去の災害支援の経験とネットワークを活かし、全国の方々からの支援のお申し出により、すでに物資を中心とした後方支援体制を整えております。また、自治体を始めとした多方面への情報共有やアドバイスを行っております。当法人は、引き続き地元熊本で起きた今回の災害に対する支援を全力で継続してまいります。

しかし、今回の地震による被災地の混乱を目の当たりにし、当法人は今のペット防災に対して強い危機感を抱かずにはいられません。10年前の熊本地震から、この国の「ペット防災」は本当に進んだのでしょうか?

今回の熊本の現状は、現地救護本部立ち上げもないままに多くの愛護団体が被災地へ入り、それぞれが統制もとれない状況で各々の活動をしています。災害時に最も大切な情報も統制が取れる訳もなく、SNSには真偽不明の情報が溢れています。
県外団体は始めから支援金を募り被災地へ向かい、被災地のガソリンスタンドでガソリンを入れ、コンビニで買い物をする。それはまさに、10年前と何も変わらない現実です。

本来であれば、まずは速やかに現地で救護本部が立ち上がり、正確な情報が一元化されて共有されなければなりません。
そして外部から支援に入る団体は、被災地の資源を圧迫しないよう燃料や物資の自己完結を徹底し、統制のとれた連携の下で動く。
それこそが、被災地を真に助けるあるべき支援の形です。災害支援の基本を厳守し、地元を中心とした協働体制を築くことこそが最も効果的な支援となります。支援側の混乱は、結果的に一番支援を必要としている飼い主様や動物たちへ、届くべき支援が届かないという事態を招いてしまうからです。

さらに、統制も取れないまま災害支援の基本も守ることなく、被災地で各々活動する動物支援団体の姿は、動物を想う人たちからは称賛されるかもしれません。しかし、災害支援全体の枠組みを無視し、「動物の命」を声高に叫んでルールを逸脱して動くその姿が、ペットを飼っていない被災者の方々や、他の災害支援を行う人たちの目にどう映るでしょうか?
周囲への配慮を欠いた行動がもたらす悪印象は、社会からの共感を遠ざけ、結果的にペット防災の普及が遅れる大きな要因の一つともなっています。当法人は、この事実を決して看過することはできません。

しかし、このような体制を発災時に機能させるためには、日頃からの実効性を伴う備えが不可欠です。災害支援協定を結ぶ事や、ペット防災セミナーを開催する事。それらも必要な事ではありますが、それは決して目的ではなく、目的を達成するための手段に過ぎません。10年前の大混乱の中、ペットと飼い主が直面したあまりにも厳しい現実を知っている当法人だからこそ、本質的な備えが社会に根付いていない現状に焦りにも似た思いを感じています。

災害はいつ、どこで起こるかわかりません。だからこそ、当法人の真の役割は発災後の支援だけではなく、事前の「平時」にこそあると、今回の事態を受けて改めて痛感しています。
当法人が果たすべきは、地域でペット防災に真摯に取り組む人たちとしっかりと連携し、これまで蓄積した知見とリソースでサポートを行い、地域でのペット防災体制を構築していく事です。
当法人はこれまで以上にその方針を徹底し、目的である「ペット防災の社会インフラ化」を目指してまいります。

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