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ペット防災コラム

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【参加者の声】災害支援の実体験から学ぶ実践的セミナー・講演

ペット防災セミナーの様子

ペット防災セミナー参加者の皆様の声

近年、日本各地で災害が頻発する中、「ペット防災」という言葉は広く認知されるようになりました。しかし、多くの自治体や飼い主の方々が抱えているのは、「重要性は理解しているが、具体的に何をすればよいか分からない」という課題です。

NPO法人ペット防災ネットワークでは、全国の自治体、獣医師会、自主防災組織、飼い主の皆様に向けたセミナーや講演活動を行っています。私たちのセミナーには、明確なゴールがあります。それは、知識を得ていただくことではなく、「行動変容」を起こしていただくことです。

今回は、柏市や日野市などで開催されたセミナーの参加者アンケートから、受講された皆様の感想をご紹介するとともに、なぜ私たちのセミナーが具体的な「行動」に繋がるのか、その理由を解説します。

1. 現場経験に基づく「実用的な支援ノウハウ」

私たちの講演が、一般的な防災講座と異なる点は、講師が「被災地での長期にわたる支援活動の実務経験」を有していることです。

2016年の熊本地震において、私たちは発災直後から現地に入り、「益城町わんにゃんハウス」等の現場責任者として活動しました。避難所運営の混乱、飼い主と非飼い主のゾーニング(区分け)、衛生管理といった課題に対し、その場で判断し、対応を続けてきました。 セミナーでは、机上の空論ではなく、現場で実際に発生した問題と、その解決策を具体的に提示します。そのため、参加者は「自身の地域や家庭で活用できる情報」として受け取ることができます。

2. 参加者アンケートから見る3つの評価ポイント

先日開催されたセミナー後のアンケート結果より、特に多くの反響をいただいたポイントを3つのテーマに分類してご紹介します。(※個人情報は削除・編集しています)

① 「ペット防災=被災者支援」という視点の転換
最も多くの感想が寄せられたのは、「ペット防災の本質」に関する理解です。

「災害時のペットの問題は、動物の問題ではなくて被災者支援の問題であるということにハッとした」(20代)
「ペット防災は被災者支援と明確化されたのが、わかりやすいと思った」(60代・個人)
「人命優先、被災者支援。人命優先だからこそ、同行避難という言葉が大変勉強になりました」(80代)
「支援に入った人間が『人の命も動物の命も一緒』とは絶対に言ってはいけないという話が心に残りました」(50代・ペット防災会)
「ペット防災は被災者支援!と、とても印象に残りました!」(50代・団体所属)

「ペット防災」を単なる「動物愛護活動」として捉えると、災害時の優先順位は下がります。しかし、ペットの対策が不十分であれば、飼い主が危険な自宅に留まる、あるいは避難所でのトラブルにより精神的な負担を抱えるなど、結果として「人の命と健康」に影響を及ぼします。 「ペットの対策は、飼い主である住民(人)の安全を守るための被災者支援である」。この論理的な定義付けにより、行政や地域コミュニティは具体的な施策検討へと動き出すことができます。

② 具体的な課題解決策の提示
抽象的な啓発ではなく、具体的な手法(ゾーニングやマニュアル運用)を示した点についても評価をいただきました。

「災害を自分事として考えるヒントを頂けました」(60代)
「ペットは屋外はNG。同室避難が理想、ゾーニングという考え方が参考になりました」(60代・マンション自治会)
「なぜペット防災の取り組みに自治体ごとにバラつきがあり進まないのか→具体的に対応策を示して頂けて理解できました」(60代・推進員)
「ペットの受入れ基準をしっかり決めておくなど、今後マニュアルを改訂していく上で役に立ちました。受付も一般とペット同行者と分ける必要性も感じました」(70代・社協)
「『特別な毎日』という言葉が心に残った」

セミナーでは、避難所運営における「ゾーニング」の具体的な配置例や、受付対応の手順、必要な備蓄品リストなどを提示します。「法律上の根拠」や「他自治体での運用事例」に基づいた解説は、マニュアル改訂を検討している行政担当者や、地域防災リーダーにとっての実務的な指針となります。

③ 被災地の記録写真が伝える「現実」
言葉による説明だけでなく、現地の記録写真を用いた解説は、災害を現実的な問題として認識する契機となっています。

「熊本の状況の写真に驚きました。地震であれツナミや土砂災害であれ自身の約6割が対策をせず『何をしていいかわからない』という意識に驚きました」(80代・防災会)
「〇〇けん!~~けん!という熊本弁がとっても良かったです!心に響きました!ご経験に基づかれた素晴らしいお話でした!」(50代・団体所属)
「とにかく、話の内容が濃かったです。」(60代・推進員)
「何をすべきか考えさせられました。ペット避難、思っていたよりも深く、深く、深い問題でした」

スライドに示すのは、被災した家屋や避難所の様子など、私たちが現地で記録した事実です。 「災害が多発しているにも関わらず、対策が進んでいない」という現状に対し、自身の体験を交えて事実を伝えることで、防災対策を「他人事」から「自分事」へと意識を変えるきっかけを提供しています。

3. 対象別セミナー・講演のご案内

NPO法人ペット防災ネットワークでは、対象者のニーズに合わせた専門的なカリキュラムでセミナー・講演を行っています。

【自治体・行政職員向け】
地域防災計画や避難所運営マニュアルにおけるペット対策の整合性、専門職(獣医師等)や民間団体との連携体制構築について解説します。行政の実務を踏まえ、トラブルを未然に防ぐための施策を提案します。

【飼い主・一般市民向け】
「同行避難」と同伴避難の定義、在宅避難の判断基準、避難所でのマナーとしつけ、そして「自助」の重要性について。発災直後のシミュレーションを通じ、具体的な備えを促します。

【自主防災組織・避難所運営委員向け】
避難所開設時の初動対応、ゾーニングのレイアウト作成、アレルギーへの配慮、受付動線の確保など。被災者が共同生活を送るための「運営ルール」について、図面を用いて具体的に解説します。

【獣医師会・動物取扱事業者向け】
災害時における専門職の役割、VMAT(災害派遣獣医療チーム)との連携、被災動物救護体制の構築について。平時からのネットワーク作りや、発災時のトリアージ、感染症対策などを専門的視点から解説します。

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4. 結論:セミナーの目的は「行動変容」のみにある

最後に、私たちがセミナー活動を行う最大の理由をお伝えします。

当法人のセミナーは「資格取得」や「セミナー開催自体」を目的としていません。

受講修了証をもらうことや、年間の防災行事を無事に終えて実績を作ることは、災害発生時には何の役にも立たないからです。災害は待ってくれません。資格の有無に関わらず、知識を得たその瞬間から、具体的な行動に移せるかどうかが、命を分ける境界線となります。

私たちの目的は、参加者の皆様に「行動変容」を起こしていただくこと、ただそれだけです。

行政であれば、マニュアルの改訂に着手する。
地域であれば、避難所運営会議の議題に上げる。
飼い主であれば、今日、水と食料を備蓄し、ケージに入る練習をする。
アンケートに寄せられた「周囲や町への落とし込みを考えていきます」という言葉こそが、私たちが目指す成果です。 被災地での過酷な経験から学んだことは、「準備していないことは、本番では絶対にできない」という事実です。

私たちは、単なる知識の提供者ではありません。皆様の「行動」を変え、地域と家族を守るための「実践」をサポートする伴走者です。 机上論ではなく、明日から使える「命を守る術」を、私たちは伝え続けます。

NPO法人ペット防災ネットワークの活動実績

ペット防災セミナーの様子

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