1. HOME
  2. 活動の記録
  3. 活動記録
  4. 【活動報告】福岡市動物の愛護と管理推進協議会での提言
活動の記録

WORKS

活動記録

【活動報告】福岡市動物の愛護と管理推進協議会での提言

2025年11月25日、福岡市にて開催された「福岡市動物の愛護と管理推進協議会」に、委員としてオンラインにて出席いたしました。

本日は、この協議会で私がどのような提言を行ったのか、そして協議会直後に私の地元である熊本を襲った地震を受けて改めて感じたことについて、ご報告させていただきます。

そもそも「動物愛護推進協議会」とは?

まず、この協議会について少しご説明します。

動物愛護推進協議会は、行政と民間の専門家(獣医師や動物愛護団体、有識者など)が一体となり、地域の動物問題を解決するための連携組織です。

本協議会の最も重要な役割は、都道府県等が定める「動物愛護推進計画」と連動して活動することにあります。
行政が定めた計画を確実な実行へと導くために、主に以下の2つの側面から計画を推進しています。

1. 現場の声を反映する「計画の策定・見直し」

行政が計画を策定・改定する際、協議会は現場の知見や意見を集約する機能を果たします。
現場の実態や、専門家からの意見、地域特有の課題を計画に反映させることで、実情に即した実効性の高い施策へと改善を図ります。

2. 確実な実行へ導く「進捗管理と評価」

計画の開始後、協議会は各目標に対する進捗状況を定期的に確認・評価する機関となります。
進捗に遅れ等の課題が生じた際は、その要因を専門的な視点から分析し、具体的な解決策の立案や施策の見直しを関係機関において協議します。

このように、動物愛護推進協議会は、計画における目標と現場の実態との整合性を図り、地域の動物愛護施策を継続的に評価・改善し、その実効性を高める中核機関としての役割を担っています。

前回の協議会の議事録

協議会での提言:情報の「具体化」と「縦割り」の解消

今回の協議会において、私は福岡市動物愛護管理推進計画の大きな柱の一つである「災害対策」について、以下の2点を強く提言いたしました。

1. 指定避難所ごとの「ペット受け入れ」情報の周知

福岡市を含め、多くの自治体では「ペットの同行避難」を基本方針としています。
しかし、市民の皆様が一番知りたい情報は、「同行避難が推奨されていること」だけではありません。

「私の家の近くの小学校(指定避難所)は、本当にペットを受け入れてくれるのか?」

「受け入れてくれる場合、校舎のどこに行けばいいのか?」

こうした「具体的な情報」です。

現状では、「避難所ごとの判断」や「原則屋外」といった曖昧な表現に留まっているケースが多く見受けられます。
しかし、発災直後の混乱の中で、飼い主が迷わず避難行動をとるためには、平時の段階で「あそこの避難所なら、体育館の横の渡り廊下で受け入れてくれる」といった具体的なイメージを持てていることが不可欠です。

私は、各指定避難所におけるペット受け入れの可否、および受け入れ場所の想定について具体化し、その情報を市民に周知する必要があると述べました。
これは、環境省のチェックリストにもある「事前の情報提供」を実質化するものです。

2. 「防災部局」との緊密な連携の必要性

そして、上記のような具体的な体制整備を進めるために避けて通れないのが、庁内の連携です。

ペットの災害対策は、どうしても「動物愛護センター(保健福祉部局)」が主導になりがちです。
しかし、避難所の指定や運営、備蓄の管理を実際に所管しているのは「防災部局(危機管理室など)」です。

動物愛護の部署だけで「ペット防災を進めましょう」と旗を振っても、避難所を管理する防災部局が本腰を入れなければ、現場は動きません。

私は、「ペット防災は被災者支援である」という視点を共有し、防災部局とこれまで以上に緊密に連携すること、そして避難所運営委員会への働きかけを防災部局と共同で行うことの重要性を強く訴えました。

会議直後の揺れ:災害は待ってくれない

協議会を終えたその2時間後のことでした。 私の居住地であり、活動の拠点である熊本県を震源とする、最大震度5弱の地震が発生しました。

スマートフォンの緊急地震速報が鳴り響き、地面が揺れた瞬間、私の脳裏をよぎったのは、つい先ほどまで議論していた「避難所の備え」のことでした。

「もし、この揺れがもっと大きかったら?」 「今夜、福岡や熊本の飼い主さんたちは、安心して避難所に向かえるだろうか?」

災害は、会議の結果を待ってはくれません。計画の策定を待ってはくれません。

私たちが議論している間にも、いつ巨大地震が起きてもおかしくないのです。

今回の地震は、私たちが取り組んでいる課題が、決して机上の空論ではなく、今そこにある危機への対策であることを、改めて、そして強烈に突きつけてきました。

「想定外」をなくすために、提言し続ける

熊本地震から間もなく10年。

あの時、多くの飼い主さんが「ペットがいるから」と避難所を諦め、車中泊や壊れた自宅での生活を選びました。
その結果、エコノミークラス症候群や家屋の倒壊による二次被害のリスクに晒されました。

行政の計画書に対策が並んでいても、現場で運用できなければ、命は守れません。
「検討します」「調整します」という言葉が繰り返される間に、災害はやってきます。

協議会直後の地震を受け、私は決意を新たにしました。

自治体に対して、「やったつもり」の対策ではなく、住民の命を守るための「具体的で実効性のある取り組み」を求めていくこと。

そして、行政任せにするのではなく、私たち民間団体や飼い主自身も「じぶんごと」として備え、行政と協力して地域防災力を高めていくこと。

NPO法人ペット防災ネットワークは、これからも現場のリアリティを行政に届け、人とペットが共に安心して暮らせる社会の実現に向けて、提言と行動を続けてまいります。

引き続き、皆様のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

正しいペット防災の知識を得るためのペット防災セミナーはこちら

活動の記録