2019年、福岡市と熊本市において、動物取扱責任者講習の講師を務めました。

この講習は、動物の愛護及び管理に関する法律（動物愛護法）の理念に基づき、動物取扱責任者がその責務を全うするために不可欠な知識と技術を習得する重要な機会です。

講義では、日々多くのペットと接するペットショップ、ペットホテル、そして専門的なケアを提供するトリミングサロンといった動物取扱業者が担う社会的責任の重さを強調しました。

さらに、平時から飼い主様に対し、ペットの健康管理やしつけはもちろんのこと、災害に備える「ペット防災」の意識を含む「適正飼育」の知識を積極的に啓発していくことの極めて高い重要性についてお話しさせていただきました。

例えば、トリミングで定期的に来店される飼い主様に対して、ペットの体調変化に気づきアドバイスをするとともに、災害時の備え（フード、水、常備薬、避難用品など）の重要性を伝え、具体的な準備を促すことができます。

福岡市だけでも1000件近くもの第一種動物取扱業の登録があるという事実は、これらの業者が地域社会のペットとその飼い主の防災拠点としての役割も担える可能性を示しています。

地域の動物取扱業者が連携し、日々の業務を通じて飼い主の防災意識を高める地道な啓発活動を行えば、万が一の災害時におけるペットとの安全な避難や共生の実現、すなわちペットと人の防災の未来を大きく、そして確実に良い方向へ変革できると強く訴えました。

ペット業界全体で防災意識を高め、飼い主への啓発を強化することが、災害に強い社会を作る上で不可欠です。