
沖縄・那覇市でのペット防災セミナー開催と現地視察
2023年沖縄県那覇市を訪れ、飼い主の皆様および自治体関係者の皆様を対象としたペット防災セミナーを開催いたしました。温暖な気候の沖縄ですが、台風など自然災害のリスクは常に存在し、ペット防災への関心も高まっていることを実感いたしました。
セミナーの開催に合わせて、自治体職員の方々と共に、災害時のペット受け入れ場所として想定されている那覇市役所地下駐車場を視察させていただきました。視察では、風雨が吹き込む状況などを細かく確認し、実際にどのようにペットの受け入れを行うべきか、具体的な状況確認とアドバイスを行いました。特に、沖縄の気候特性を踏まえた、熱中症や衛生面への配慮の重要性についても議論を深めました。
災害時のペット受け入れは、自治体による災害時のペット支援において最大の課題となっております。多くの自治体では、その対応を避難所に丸投げしてしまっていたり、受け入れスペースを具体的に想定していなかったりする現状が見られます。そのような状況では、災害時の混乱の中でさらなる混乱を招き、ペットを連れた被災者の避難行動が遅れたり、ペットの受け入れ場所を探して移動を繰り返したりする事態が発生してしまいます。
この影響は、ペットを飼っている被災者だけでなく、ペットを飼っていない他の被災者、また避難所運営者へも及び、避難所全体の運営に支障をきたしかねません。過去の災害事例からも、この準備不足が、人命救助や生活復旧の妨げとなることが明らかになっています。
今、自治体が取り組むべき喫緊の課題は、緊急避難場所や指定避難所におけるペットの受け入れスペースを具体的に決定することです。那覇市の担当者の方々には、緊急避難場所として大規模な公園の一角に、ペットと同行避難した飼い主さんのために車中泊を含めたスペース設置を提案させていただきました。これは、避難所という限られた空間での密を避け、ペットのストレス軽減にも繋がる、より柔軟な対策です。
今後も、具体的な災害対策の推進に向けて、自治体の皆様との連携を強化してまいります。