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【2025年版】ペットを守る防災アプリ活用術|自分とペットの命を守る

はじめに:あなた自身の安全が、ペットの未来を守る

大好きなペットと一日でも長く、安心して暮らしたい。それはすべての飼い主さんの願いではないでしょうか。しかし、地震や台風、豪雨などの自然災害は、いつ私たちの平穏な日常を脅かすかわかりません。

災害時、パニックの中でペットを守るためには、まず飼い主であるあなた自身が落ち着いて行動し、安全を確保することが何よりも重要です。あなたが無事でいて初めて、ペットを守るための行動を起こせるのです。

そして、現代の防災において最も強力なツールの一つが、皆さんがお持ちのスマートフォンと「防災アプリ」です。

この記事では、数ある防災アプリの中から、ペットを飼っているあなたに本当に役立つアプリはどれか、そしてそれをどう使えば「あなたとペットの命」を守れるのかを、具体的かつ徹底的に解説していきます。

第1章:まずはこれだけ!飼い主さんのスマホに必須の基本防災アプリ3選

災害対策の第一歩は、正確で迅速な情報を得ることです。ここでは、数あるアプリの中でも特に重要で、すべての飼い主さんに入れていただきたい「基本の3つのアプリ」をご紹介します。それぞれのアプリが、ペット防災においてどのように役立つのかも合わせて解説します。

1. Yahoo!防災速報:情報網羅性と家族の安全確認のオールラウンダー
 「Yahoo!防災速報」は、多くの日本人が利用している最もスタンダードな防災アプリです。その最大の強みは、一つのアプリで幅広い情報を得られる「網羅性」にあります。

ペット防災における活用ポイント:

多様な災害情報: 地震、津波、気象警報はもちろん、自治体からの避難情報までプッシュ通知で届きます。これにより、危険が迫っていることをいち早く察知し、ペットとの避難準備を始める時間を確保できます。
複数地点の登録: 現在地に加え、国内3地点まで登録可能です。例えば、「自宅」「実家」「職場の近くにあるペットの一時預け先」などを登録しておけば、自分だけでなく、離れて暮らす家族や大切なペットの預け先の状況も把握できます。
ハザードマップと避難場所の確認: アプリ内の「防災手帳」から、お住まいの地域のハザードマップを確認できます。平時のうちに、「この道は浸水する可能性があるから、ペットを連れての避難には使えないな」「ペットと一緒に避難できる避難所はどこだろう?」といった視点で、安全な避難経路をシミュレーションしておくことが極めて重要です。
災害マップ: ユーザーからの投稿で、地域の被害状況がリアルタイムにわかります。「近所の道路が寸断されている」「あの公園が危険な状態」といった生の情報は、ペットを連れて安全に避難するための貴重な判断材料となります。
[Yahoo!防災速報のダウンロードはこちら]

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2. 特務機関NERV防災:最速の情報で、まず自分の命を守るスペシャリスト
「特務機関NERV防災」は、何よりも情報の「速さ」と「正確さ」を追求したアプリです。特に緊急地震速報(EEW)は国内最速レベルで、テレビや他のアプリよりも数秒早く届くこともあります。

ペット防災における活用ポイント:

命を守る数秒間の確保: 地震発生時、大きな揺れが来るまでの数秒間は、生死を分ける時間です。このアプリの速報を受け、瞬時に机の下に隠れる、ケージの扉を開けてペットの逃げ道を確保するなど、まず自分の身を守る行動をとることができます。あなたが怪我をしてしまっては、ペットを守ることはできません。
シンプルでわかりやすい情報: 広告などが一切なく、表示される情報は災害に関するものだけです。そのため、緊急時に迷うことなく必要な情報を確認できます。主要動が到達するまでのカウントダウン表示は、心の準備をする上で非常に役立ちます。
プライバシーへの配慮: 位置情報は端末内で処理され、個人の移動履歴が追跡されることはありません。安心して利用できる点も大きなメリットです。
[特務機関NERV防災のダウンロードはこちら]
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3. NHK ニュース・防災:公共放送の信頼性で、デマに惑わされない
災害時には、不正確な情報やデマが拡散しやすくなります。特にペットに関する情報は、「ペットは避難所に連れていけない」「特定の場所でペットフードが配られている」といった誤った情報が広まり、飼い主さんを混乱させることがあります。

ペット防災における活用ポイント:

信頼できる情報源: 公共放送であるNHKが発信する情報は、信頼性が非常に高いです。災害の全体像や公的な支援に関する正確な情報を得ることで、デマに惑わされず、冷静な判断を下すことができます。
ライブ配信と解説: 災害発生時には、NHKのニュース番組がライブ配信されます。映像を通じて被害の状況を客観的に把握できるほか、専門家による解説は、次にとるべき行動を考える上で助けになります。
多様な防災情報: ニュースだけでなく、雨雲の動きや河川の水位など、ペットとの避難を判断するために必要な情報を地図上で視覚的に確認できます。
[NHK ニュース・防災のダウンロードはこちら]
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第2章:災害時の生命線!LINEをペット防災に最大限活用する方法

今やほとんどの人が使っているメッセージングアプリ「LINE」は、災害時において非常に強力なコミュニケーションツールとなります。普段の連絡手段としてだけでなく、「ペット防災」の視点からLINEを使いこなす方法を学びましょう。

1. 「LINE安否確認」とペット情報の共有

震度6以上の大きな地震が発生すると、LINEのホーム画面に「LINE安否確認」という機能が自動的に表示されます。「無事」または「被害あり」をタップするだけで、友だち全員にあなたの状況を知らせることができます。

ペット防災における活用ポイント:

ペットの状況も一言添える: 安否を報告するだけでなく、プロフィールの「ステータスメッセージ」機能を活用し、「ペットと一緒に無事です」「ペットと○○に避難中」といった情報を書き加えましょう。これにより、あなたの安否を心配している友人や家族は、ペットの状況も同時に知ることができ、より安心できます。
写真や位置情報の活用: もし自宅や周辺に被害があった場合、その状況を写真で撮影し、家族や友人のグループに共有することで、言葉だけでは伝わらない被害の深刻さを伝えることができます。また、位置情報共有機能を使えば、あなたの正確な居場所を知らせることができます。
 

2. 「ペット防災グループ」を作ろう
災害時に頼りになるのは、ご近所のつながりです。普段から散歩で顔を合わせる犬友だちや、近所の猫好き仲間とLINEグループを作っておくことを強くお勧めします。

ペット防災における活用ポイント:

地域の情報交換: 「A公園はガラスが散乱していて危険」「B動物病院は診察を再開したらしい」「Cスーパーでペットシートが売っていた」など、地域に密着したペット関連のリアルタイムな情報は、何よりも貴重です。
相互扶助(助け合い): 「停電で困っていたら、バッテリーを貸してもらえた」「どうしても仕事で家を離れなければいけない時、数時間ペットの様子を見てもらった」など、いざという時に助け合える関係を築いておくことは、大きな安心につながります。
アナウンス機能の活用: 避難場所や集合時間など、グループ全員に必ず確認してほしい重要な情報は、「アナウンス機能」を使ってチャット画面の上部に固定しておきましょう。

3. 自治体の「LINE公式アカウント」は命綱
近年、多くの自治体がLINE公式アカウントを開設し、防災情報をはじめとする行政サービスを提供しています。これは「持ち運べる役所」とも言える非常に便利なサービスです。

ペット防災における活用ポイント:

ペット関連情報の受信: 平時のうちに、お住まいの自治体のLINE公式アカウントを友だち追加し、受信設定で「防災」や「ペット」といったカテゴリを選択しておきましょう。災害時には、「ペット同行避難所の開設情報」「ペット用支援物資の配布場所」といった、飼い主にとって死活問題となる情報が直接届く可能性があります。
チャットボットで質問: 「最寄りの同行避難所は?」「狂犬病の猶予措置は?」といった疑問をチャットで質問すると、AIが24時間自動で回答してくれる自治体も増えています。
被害報告: 道路の陥没や崖崩れなど、ペットとの避難の妨げになるような地域の被害状況を、写真と位置情報付きで市役所に直接報告できる機能を持つアカウントもあります。 

第3章:あなたの町に特化!自治体防災アプリの探し方とチェックポイント

全国共通のアプリに加え、お住まいの自治体が独自に開発・提供している防災アプリも重要な情報源です。ここでは、その探し方と、ペットの飼い主としてチェックすべきポイントを解説します。

自治体アプリの探し方
お使いのスマートフォンのアプリストア(App StoreやGoogle Play)で、「(市区町村名) 防災」と検索してみてください。例えば、「○○市 防災」のように入力します。もし見つからない場合は、自治体の公式ホームページで防災アプリに関する案内がないか確認してみましょう。

ペット防災の視点でのチェックポイント
自治体アプリをダウンロードしたら、以下の機能があるかを確認してみましょう。

ペット同行避難所の表示: 避難所マップで、「ペット可」「同行避難所」といったアイコンが表示されるか、または絞り込み検索ができるかを確認しましょう。これは最も重要な機能です。
ハザードマップの充実度: 洪水、土砂災害、津波など、地域のリスクに応じたハザードマップが、オフラインでも閲覧できるかを確認しましょう。ペットとの避難経路を考える上で必須の情報です。
プッシュ通知のカスタマイズ性: 地域の防災情報だけでなく、「ペット関連のお知らせ」といったカテゴリで通知を受け取れる設定があれば理想的です。
オフライン機能: 災害時には通信障害が発生する可能性があります。地図や防災マニュアルなどが、インターネットに接続していなくても使える機能は非常に重要です。

【事例紹介】東京都防災アプリ: 評価の高い防災ブック「東京防災」が読めるほか、帰宅困難者になった場合の支援施設を案内するモードなど、大都市ならではの機能が充実しています。
静岡県防災アプリ: AR(拡張現実)機能を使い、今いる場所の想定浸水深をカメラ映像に重ねて表示するなど、津波リスクへの意識を高める革新的な機能が搭載されています。
これらのように、自治体アプリにはその地域の特性を反映した独自の機能が搭載されていることがあります。ぜひ一度、ご自身の地域のアプリを探してみてください。

第4章:ペットとの避難を成功させる「避難所」関連アプリ

いよいよ避難が必要になった時、どこへ、どのように避難すればよいのでしょうか。ここでは、避難所の検索や、避難所の状況を知るために役立つ専門アプリをご紹介します。

1. 全国避難所ガイド:オフラインでも使える避難所データベース
その名の通り、全国15万件以上の指定避難所等を網羅した、避難所検索の定番アプリです。

ペット防災における活用ポイント:

避難所の事前検索: 平時のうちに、自宅周辺の避難所を検索しておきましょう。ただし、このアプリだけではペット同行の可否が判断できない場合が多いです。検索して見つけた避難所が、実際にペットを受け入れてくれるかどうかは、必ず自治体のホームページや防災担当課で確認しておく必要があります。
オフライン地図: 災害で通信が途絶えても、事前に地図データをダウンロードしておけば、オフラインで最寄りの避難所までのルートを確認できます。
安否情報の登録・検索: 複数の安否確認サービスと連携しており、自分の安否を登録したり、家族の安否を検索したりする際にも役立ちます。
[全国避難所ガイドのダウンロードはこちら]
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2. VACAN(バカン):避難所の「混雑状況」をリアルタイムで知る
避難所が開設されても、特定の場所に人が集中してしまい、「行ってみたら満員で入れなかった」という事態が起こり得ます。特にペットを連れている場合、ある程度のスペースが必要になるため、避難所の混雑状況を把握することは非常に重要です。

「VACAN」は、避難所の開設状況や混雑度を「空いています」「やや混雑」「混雑」「満」の4段階でリアルタイムに地図上へ表示するサービスです。

ペット防災における活用ポイント:

効率的な避難所選び: 避難する前にVACANのマップを確認し、比較的空いている避難所を選ぶことで、受け入れを断られるリスクを減らし、ペットと落ち着けるスペースを確保しやすくなります。
アプリ不要でアクセス可能: このサービスは、専用アプリをダウンロードしなくても、ウェブブラウザから直接アクセスできます。事前に自治体の防災ページなどで、VACANのマップが見られるURLをブックマークしておくと良いでしょう。
[VACAN Maps]https://vacan.com/ ※多くの自治体サイトで導入されています。「(市区町村名) 避難所 VACAN」で検索してみてください。

まとめ:アプリを組み合わせて、あなたとペットの防災計画を完成させよう

ここまで、様々な防災アプリをご紹介してきましたが、大切なのは「完璧な一つのアプリ」を探すことではありません。それぞれのアプリの長所を理解し、目的別に使い分ける「アプリ・ポートフォリオ(組み合わせ)」という考え方を持つことです。

【ペットと暮らすあなたのためのアプリ・ポートフォリオ例】

最速の警報用: 特務機関NERV防災 → まずは自分の命を守る行動をとる!
総合的な情報収集・家族の安否確認用: Yahoo!防災速報 → 避難指示や地域の被害状況を確認し、離れた家族の安全もチェックする。
公式な連絡・地域情報用: LINE + 自治体アプリ → ペット仲間との情報交換、自治体からのペット関連情報を確実に受け取る。
避難行動用: 全国避難所ガイド + VACAN → 事前に確認した同行避難所の開設状況・混雑状況をチェックして、安全に避難する。
災害は待ってくれません。この記事を読み終えた今、ぜひ一つでも多くのアプリをスマートフォンにインストールし、設定を済ませておいてください。平時の備えが、いざという時にあなたと、あなたの愛するペットの命を救います。

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