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同行避難への備え

災害時のペット同行避難とは?準備と3つのチェックリスト

はじめに:「同行避難」はペットとあなたの命を守る最重要原則

大規模な災害が発生した際、「ペットと一緒に避難場所まで避難すること(=同行避難)」は、環境省も推奨する飼い主がとるべき行動の基本原則です。私たちも熊本地震などの現場で数多く見てきましたが、「ペットがいるから避難できない」という状況は、飼い主自身の命をも危険に晒すことになりかねません。災害が起きたら「迷わず」ペットと一緒に避難を開始してください。

なぜ「置き去り」は絶対ダメ?同行避難が推奨される3つの理由

過去の多くの災害では、ペットを置き去りにしたことで、たくさんの悲劇が生まれました。その教訓から、現在ではペットとの同行避難が強く推奨されています。

理由①:ペット自身の命を守るため
置き去りにされたペットは、建物の倒壊や火災、飢えや渇き、怪我の危険に晒され、命を落とす可能性が非常に高くなります。

理由②:飼い主自身の安全と心を守るため
「ペットが心配で危険な自宅に戻る」といった二次災害を防ぎます。また、ペットがそばにいることは、困難な避難生活を乗り越えるための大きな心の支えとなります。

理由③:社会全体の安全を守るため
放浪するペットが人へ危害を加えたり、糞尿による公衆衛生上の問題を引き起こしたりするのを防ぎます。また、飼い主不明の動物の保護は、限られた救助リソースを圧迫する一因ともなります。これらの理由から、「ペットも家族の一員として共に避難する」という考え方が、現在のペット防災の基本となっています。

いざという時に慌てない!「同行避難」3つの事前チェックリスト

同行避難をスムーズに実行するには、平時からの具体的な準備が不可欠です。お住まいの自治体の情報を元に、以下の3点を必ず確認しておきましょう。

1.避難所の場所と複数の候補
まず、自宅から最も近い、または安全に行ける指定避難所はどこか、防災マップや自治体のウェブサイトで正確に把握します。一つだけでなく、親戚や友人の家なども含め、複数の候補をリストアップしておくことが重要です。

2.安全な避難ルートの確認と予行演習
普段使っている道が、災害時に安全とは限りません。ガラスの破片が散乱しそうな場所や、浸水の危険がある低い土地などを避け、複数の避難ルートを想定しましょう。実際にペットを連れて歩いてみて、昼と夜の両方で危険な箇所がないか確認しておくことが、いざという時の落ち着いた行動に繋がります。

3.ペットの受け入れ条件の具体的な確認
最も重要な確認事項です。指定避難所がペットの同伴を許可しているか、事前に必ず確認してください。 その際、「受け入れは可能か?」「ケージやキャリーバッグは必須か?」「ペット専用のスペースはあるか?(屋外か屋内かなど)」「必要な持ち物(予防接種証明書など)はあるか?」といった具体的な条件まで、自治体の担当部署(防災課や環境衛生課など)に問い合わせておきましょう。

「同行避難」と「同伴(同室)避難」の大きな違い

同行避難: 災害発生時に、飼い主がペットを連れて避難所まで安全に避難すること。これが大原則です。
同伴避難(同室避難): 避難所内で、飼い主とペットが同じ空間(部屋)で過ごすこと。
全ての避難所で同室避難ができるわけではありません。多くの場合、人の居住スペースとペットの飼育スペースは分けられます。この違いを理解し、どのような環境でも対応できるよう、ケージトレーニングなどの準備をしておくことが大切です。

まとめ:計画的な準備が、あなたとペットの未来を守る

事前の備えが、あなたと愛するペットの命運を左右します。どこへ、どのように、何を持って避難するのか。具体的な計画を立て、準備しておくことが、飼い主の最も重要な責任です。まずは、全ての基本となる国のガイドラインに目を通すことから始めましょう。

【出典・参考資料】

環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」リンク 

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002.html