1. HOME
  2. 活動実績
  3. 活動記録
  4. 熊本市長との意見交換会:ペット同行避難と避難所の課題解決に向けて
活動実績

WORKS

活動記録

熊本市長との意見交換会:ペット同行避難と避難所の課題解決に向けて

10月4日、熊本市で開催された意見交換会にて、ペット同行避難における避難所のあり方について提言を行いました。現在のマニュアルにある「原則屋外」というルールは、猛暑下では命の危険を伴い柔軟な対応を阻害しています。大西市長からの心強いお言葉や、私たちが訴えた当日の内容をご報告します。

熊本市でのペット団体意見交換会

10月4日、熊本市南区の南部公民館において、行政およびペット関連団体による意見交換会が開催されました。熊本市の大西市長をはじめ、熊本県獣医師会、熊本市動物愛護推進協議会、そして実際に同行避難を経験された被災者の方など、計14名が参加しました。

会の中では、熊本市からペット同伴避難所の開設に関する取り組みや、県と県獣医師会で構成されるペット救護本部の活動について紹介がありました。また、参加した他団体からもそれぞれの立場から意見が出され、地域全体で対応体制を構築していくための情報共有の場となりました。私たちNPO法人ペット防災ネットワークもこの場に参加し、現場の視点から具体的な提言を行いました。

意見交換会についての記事はこちらから

マニュアルの「原則屋外」が持つ課題

今回の意見交換会において、当法人の富士岡剛理事長は、現在の避難所運営マニュアルが抱える実務的な課題について問題提起を行いました。

現在、多くの避難所運営マニュアルにおいて、ペットの受け入れは「原則屋外」と記載されています。しかし、この一律のルールが、実際の現場において避難所運営の柔軟性を大きく阻害しているのが現状です。

近年、夏季には記録的な猛暑が頻発しています。今回の熊本でも気温40度に達する日があったほどです。このような厳しい気象条件の下で、ペットを屋外で待機させることは、命に直結する非常に危険な状況を生み出します。

「原則屋外」というルールがある限り、気温40度を超えるような状況下では、実質的に誰も安全に同行避難を行うことができません。結果として、飼い主が避難をためらい、危険な自宅に留まったり、車中泊を選択したりすることで、飼い主自身の健康被害や二次災害を招く要因にもなっています。

柔軟な対応を阻害する文言

環境省が定めるガイドラインにおいても、同行避難は原則として明記されています。しかし、地域の現場マニュアルに「施設内には入れない」といった固定化された文言が存在することで、臨機応変な対応ができなくなっています。

当法人からは、この文言が避難所運営の柔軟性を著しく阻害しているため、削除すべきであると強く提案しました。同行避難者が被災時に行き場を失うことがないよう、空いている部屋やスペースがある場合は、ペットスペースとして活用できるよう見直す必要があります。

屋内受け入れ事例と解決策

「原則屋外」を見直すための具体的な解決策として、事前に「ゾーニング(生活空間の棲み分け)」を設定することを提案しました。動物が苦手な方やアレルギーを持つ方への配慮は、施設外への排除ではなく、施設内での適切な空間分断によって解決できる問題です。

意見交換の場では、実際の成功例として、千葉県柏市および大阪府堺市におけるペットの屋内受け入れ事例を報告しました。これらの自治体では、事前のルール作りと明確なゾーニングによって、人とペットが同じ屋根の下で安全に避難生活を送る体制を整えています。

大西市長からの言葉

今回の会合では、大西市長も参加され、ご自身の考え方を率直にお話しいただきました。会合終了後には、次のような心強い言葉を述べられています。

「ペットを飼っている方は避難に躊躇されたり、環境が整っていないと避難所に行けない。避難所に行けないと飼育者の命に関わることにもつながりかねない。『人命』か『ペット』かではなくて、どっちも大事。やっぱり人の命、ペットの命も守っていく。そういう意味では今後もペット避難の環境をしっかり考えていく」

この言葉は、私たちが日々訴え続けている「ペット支援は被災者支援である」という理念と完全に一致するものです。

ペット支援は被災者支援

同行避難者は、被災時に行き場を失いやすい傾向にあります。避難所に空いている部屋やスペースがあるにも関わらず、ルールの壁によって活用できない状況は、被災した市民への適切な支援が行き届いていないことを意味します。ペットを救うための柔軟な対応は、そのまま飼い主という一人の被災者の命と生活を守ることに直結するのです。

今回の意見交換会は、行政トップである大西市長や担当者、他団体の皆様と直接意見を交わすことができる大変有意義な機会となりました。現場のリアルな声を直接届けることで、より実効性の高い防災体制づくりへの一歩を踏み出せた手応えを感じています。このような貴重な機会を設けていただけたことはとても良かったと感じております。

当法人では、災害支援の現場経験を活かし「正しいペット防災」の普及に努めています。地域の防災力向上のため、自治体や飼い主様などそれぞれの課題に合わせた「ペット防災セミナー・講演会」を開催しています。メディア取材や監修も承っておりますので、まずは下記リンクよりお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

活動実績