活動の指針

activity-policy

ペット防災を「社会インフラ」へ。

ペット防災ネットワークの行動指針と活動内容。
私たちは事実に基づく実効的な対策を原則とし、以下の行動指針で活動しています。

ペット防災ネットワーク活動の指針

飼い主による適正飼養の徹底

災害時のペット支援は「被災者支援」です。
しかし、これまでは、ペット対策を単に「動物の問題」あるいは「愛護の視点」として捉える傾向が強くありました。そうした認識のままでは、どれだけ時間が経っても実効性のある具体的な対策は進みません。
災害が起きた時に発生する問題が、動物のトラブルにとどまらず、避難所全体の運営や地域住民の共同生活にまで広く影響を及ぼすためです。
ペットの存在が理由で飼い主が避難をためらうことは、人命に関わる大きなリスクを生み出します。また、避難所の受け入れルールが不明確であれば被災者同士の摩擦が起き、避難所全体の環境が悪化します。こうした混乱を防ぐためには、ペットへの対応を飼い主個人の自己責任に帰結させるのではなく、地域全体で支える社会の仕組みとして捉え直す前提が不可欠となります。
そのために必要なのが被災者支援の視点であり、単に動物を保護するためではなく、避難所の混乱を防ぎ、地域住民の安全と公衆衛生を守るための社会インフラとして、具体的な体制を構築しなければなりません。
これこそが、行政による「公助」と地域コミュニティによる「共助」において、私たちが最も重視している仕組みづくりです。この理念の基盤がなければ、各関係機関の役割分担やマニュアル策定が実効性を持つことはありません。国の防災基本計画等に準拠し、官民が平時から同じ目標に向かって対話を重ね、具体的な体制を構築しておく努力こそが、災害への確かな備えとなります。
形だけではない、真に実効性のある災害対策を実現するため、私たちは全国の自治体への助言や情報提供、ボランティアネットワークの構築、事業者との協働プロジェクトなど、多岐にわたる活動を展開してまいります。

被災者支援としての体制構築

ペット防災の基本は飼い主による「適正飼養」です。
行政や支援団体が立派な仕組みを整えても、飼い主の「普段からの適正飼養」が欠けていては、災害時の混乱は決して収まりません。災害時に起きる問題の多くは、災害が起きたから突然発生する問題ではないからです。ふだんからある小さな問題が、災害をきっかけに顕在化するのです。普段からしっかり健康管理をしていなければ、環境の激変によるストレスで大切なペットが体調を崩し、命の危機に直面することになります。日頃のしつけを怠っていれば、避難所という見知らぬ場所でペットがパニックに陥り、飼い主がコントロールできなくなってしまいます。
さらに、普段の暮らしの中でマナーや周囲への配慮を怠っていれば、非常時の共同生活において周囲からの理解を得ることはできません。
その結果、「だからペット連れは困る」という厳しい目が向けられ、自分自身のペットだけでなく、ふだんからマナーを守っている他の飼い主やそのペットたちまで追い込んでしまうことになります。飼い主が災害を「じぶんごと」として捉え、ペットとの日々の暮らしを真剣に見つめ直す必要があります。 防災とは、災害のために何かを特別に用意するのではなく、日々の暮らしそのものを見つめ直すことです。
朝の散歩のあり方、毎日の健康チェック、地域社会の一員としての振る舞い。そうした平時の一つひとつの選択が、非常時にそのまま結果として返ってくるのです。特別なことをするのではなく、当たり前の日常の暮らしの積み重ねこそが、最も確かな災害対策へと繋がります。
そのために私たちは、平時からの適正飼養の徹底を、ペット防災セミナーやSNSでの発信などを通じて、広く社会へ普及啓発していきます。

ペット防災ネットワーク活動の柱

災害時のペット支援体制構築

自治体や獣医師会、民間事業者と連携し、災害時のペット支援体制を構築します。平時から顔が見える関係を作り、いざという時の役割分担と連携を強化します。

地域のペット防災の推進

地域主体のペット防災を推進するため、各地域で活動する皆様をサポートします。当法人の全国ネットワークと専門知識を提供し、現場の取り組みを後押しします。

ボランティアリーダー育成

被災地での長期支援の経験をもとに、「ボランティアリーダー育成プログラム」を通じて地域のリーダーを育成します。平時から自治体や獣医師会と連携して動ける人材を組織化します。

正しいペット防災の普及啓発

平時は被災地の現実に基づいた「正しいペット防災」の知識を発信します。災害時は当法人の全国のネットワークを活用し、信頼できる情報の発信源となり、災害時の混乱を抑制します。

過去に学び、「今」備え、未来へ繋ぐ。

以上の基本方針と活動の柱を通じて、私たちが目指すのはペット防災の「社会インフラ化」です。

近年の大規模災害において、ペットとの同行避難を巡る混乱が繰り返されてきました。この根本的な原因は、過去の災害における徹底した検証が十分に活かされず、場当たり的な対策や机上の空論に留まっている現状にあります。

実効性のある対策へと社会全体で転換を図るためには、実際の被災地における長期の支援活動から導き出された「確かなエビデンス」が不可欠です。事実に基づく適切な支援体制を平時から構築していくことこそが、地域の防災力を高める確かな一歩となります。

災害に強い社会とは、単にインフラが頑丈であるだけでなく、高齢者、障がいのある人、子ども、そして動物たちといった社会的に弱い立場にある存在に眼差しを向け、誰一人取り残さない社会です。

わたしたちペット防災ネットワークは、過去の教訓をいかし、すべての命を守るための確かな備えを地域に築き上げることで、災害の脅威に屈しない強靭で心豊かな共生社会を目指します。

NPO法人ペット防災ネットワークは同じ志を持つ、全国各地で活動するが連携して組織を構成しています。
団体概要・組織図はこちらからご覧ください。NPO法人ペット防災ネットワーク「団体概要」