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安全な移動

ペット防災に必須の車載グッズと安全対策

災害時に大切なペットの命を守るためには様々な「モノ」の備えも必要となります。

今回は「安全な車移動と車載グッズ」について詳しく解説します。

車を使った移動は、動物病院への通院やお出かけなど、飼い主とペットの日常において非常に身近な行動です。
突然の災害が発生した際、車は単なる移動手段にとどまらず、一時的な避難場所としての役割を担います。

普段からペットを車に乗せる機会が多い飼い主であっても、災害という特殊な環境下での車内生活や安全確保について、十分な備えができている人は決して多くありません。

平時から専用グッズを活用し、ペットが安心できる安全な車内環境を構築しておく準備が、災害時の対応力を大きく左右します。
まずは現在お使いの車内環境を整える作業から始めましょう。

車中泊と環境作りの大切さ

2016年に発生した熊本地震では、多くの飼い主が自宅を離れて避難する選択を迫られました。

当時の避難所では周囲への配慮や、ペットの鳴き声が周りに与える影響を懸念し、ペットがいることを理由に車中泊を選択した飼い主が多数存在しました。

しかし、安心を求めて選んだはずの車中泊も、決して安全で快適なものではありませんでした。

事前の備えがないまま車内で長期間生活することは、飼い主とペットの双方に大きな負担を強いる結果となります。
もし日常からペットと車に乗る環境についてしっかり考えていたら、より良い環境で車中泊避難が出来たでしょう。

ふだんの移動を専用のグッズで安全にすることが、そのまま災害時の安心安全に直結します。

車内での生活に不慣れで専用スペースもない環境は、ペットに大きなストレスを与え体調不良を引き起こします。

さらに、居場所が定まらない状態は飼い主が足を伸ばして眠るスペースをも奪い、エコノミークラス症候群などの健康被害を招く要因です。

また、固定器具を使わずに乗車させていると、災害時の急ブレーキや衝撃でペットが投げ出される危険もあります。

普段の車内環境の改善が災害時の安全確保に直結する

多くの飼い主は、ペットを車に乗せる際、自由な状態で後部座席や助手席に座らせてドライブを楽しんでいます。

固定されていない状態で車を走らせる行為は、平時であっても非常に危険です。

日常のちょっとした急ブレーキや急なカーブの瞬間でさえ、ペットは座席から足元に落ちたり、ダッシュボードやドアに体をぶつけたりしてケガをするリスクがあります。

平時の滑らかな道路の上でさえこれほど危ないのですから、災害時の移動においてはその危険性が何倍にも跳ね上がります。

災害時の道路状況は平常時と全く異なります。
路面が大きく陥没していたり、倒木や建物の瓦礫などの落下物が散乱していたりする悪路を走行しなければなりません。

飼い主自身も大きな不安や緊張、避難生活の疲労を抱えながらハンドルを握るため、予期せぬ急ハンドルや突発的な急停車を余儀なくされる場面に遭遇することもあります。

このような状況下において、ペットの安全を確保し、運転者の視界や操作を妨げない環境を作る手段として、車載グッズが真価を発揮します。

日頃から車載グッズを使って居場所を固定する習慣をつけておけば、災害時にもペットが車内に適応しやすくなり、飛び出しやケガのリスクを減らせます。

車中泊の注意点についてはこちらの「ペットとの車中避難の注意点」で解説していますので併せてご覧ください。

ペット用車載グッズと正しい活用手順

車内での安全を確保して予期せぬ事故やケガを防ぐために、用途に合わせた専用の車載グッズの特徴を理解し、正しい手順で設置します。

【 ハードタイプのクレートと固定用ベルトを活用する 】

愛犬や愛猫と飼い主双方の安全を守る最も確実な方法は、堅牢なクレートに入れて車に乗せる方法です。
小型のクレートは後部座席に置き、車のシートベルトを通してしっかりと固定します。

中型犬や大型犬用のケージは、ハッチバック車のラゲッジスペースに積載し、ケージ本体に丈夫なストラップや専用の固定ベルトを通して荷室のフックに結びつけて完全に固定します。

クレートをただ座席の上に「置くだけ」ではいけません。

固定されていないクレートは、揺れや衝撃で落下し、中にいるペットにケガを負わせる原因になります。必ず取扱説明書を確認し、車両の装備を利用して動かない状態を作ってください。

【 ペット用ドライブボックスで安全な居場所を作る 】

クレートが苦手な小型犬には、座席をシートベルトで固定し、中にペットを入れて空間を制限するドライブボックスが適しています。

メッシュカバー付きの製品を選べば通気性が保たれ、内蔵された飛び出し防止用フックをペットの体に繋ぐことで安全性が高まります。

ボックスを固定しないまま座席に乗せるのはNGです。
ドライブボックス自体が滑り落ちないように、シートベルトを正しく通して座席に密着させ、ペットの居住スペースを安定させましょう。

【 飛び出し防止リードで座席に直接固定する 】

ドライブボックスを使用しない場合や、中型犬以上のサイズには、専用の飛び出し防止リードを活用します。

これは車のシートベルトのバックルや、チャイルドシート固定用の金具に直接差し込んで使用する専用のアイテムです。

ペットにこのリードを繋ぐだけで、走行中の急ブレーキによる座席からの落下や、窓からの予期せぬ飛び出しを確実に防ぎます。

急ブレーキ時の頸椎損傷や窒息といった致命的な事故を防ぐため、飛び出し防止リードは首輪ではなく、必ず衝撃を面で分散できる胴輪(ハーネス)に接続して使用してください。

【 さらに安全を高める飛び出し防止ネットと防護ガードの併用 】

これまでの対策に加えて、駐車時やドアを開ける際の予期せぬ飛び出しを防ぐ専用グッズを追加することで、より車内の安全性が高まります。

運転席と後部座席の間に張る飛び出し防止ネット(バリアネット)を設置すれば、運転中の前席への侵入をブロックできます。

ドアを開けた瞬間に興奮したペットが車外へ飛び出し、事故に遭うケースが後を絶ちません。
この危険をさらに防ぐため、車のヘッドレストに固定するタイプの専用係留リードや、窓用の防護ガードを併用して備えておきます。

停車時の注意点として、ドアを開ける際の無警戒な行動は避けてください。
どんなにペットが大人しくても、ドアを開ける前にこれらの飛び出し防止グッズが確実に機能しているかを目視で確認する手順を徹底しましょう。

今週末の外出から始める車載グッズの見直し

このように日常的にペットと一緒に車を利用する飼い主さんはその車内環境を少し整えるだけで、災害に対する備えが大幅に強化されます。

まずは愛犬や愛猫との普段の車移動を見直すことから始めてみましょう。

適切な飛び出し防止グッズを選び、次の週末のお出かけから実際に使ってみる。

後部座席に車載用シートカバーを敷いて、ペットが滑らずに安心して座れる空間を作ってあげる。

これらの小さな環境改善が、確実に災害への備えとなります。

災害はいつどこで起きるかわかりません。今日からできる最初のアクションを一緒に起こしていきましょう。

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